これは以前、私が市町村で公務員をしていた頃の話です。
私が役所に採用されて最初に配属されたのは、上水道局(正式な部署名は伏せています)でした。
この部署は役所内でも少し特殊で、「地方公営企業」に該当します。
これは、「役所が経営している会社」のようなもので、財政は役所から独立しており、日常的な経理は全て複式簿記で、貸借対照表や損益計算書を作成するような部署です。
私は、当時既に日商簿記検定2級に合格しており、日常的な経理事務に関しては特段困りませんでした。そもそも、簿記2級を持っているから配属されたのかもしれません。
ところが、この部署はあらゆる点において劣悪な職場環境でした。
私以外は全員40代〜50代で、当時20代前半だった私は、当然のようにこき使われました。
窓口対応、電話対応、その他雑用は全て自分でした。もちろん経理事務は私の担当で、予算書・決算書の作成も1人でやっていました。
事務職員は私ともう1人でしたが、この人が瞬間湯沸かし器のようにキレやすく、気に入らないことがあれば怒鳴り散らすヤバい人でした。
しかもこの人は担当業務は料金徴収と開閉栓だけで、複式簿記に関しては借方と貸方の違いもわからないようなレベルでした。
直属の上司である局長(正式な役職名は伏せています)に関しては、技術職出身のためか事務に関しては完全に素人で、減価償却費の意味すら理解していませんでした。
上水道局では毎月出納検査があるのですが、何故か入庁したばかりの私が局長のために想定Q&Aと読み原稿を作成する有様でした。
さらに恐ろしいことに、私が4月1日に入庁した時点で、私の前任者は既に役所内にはいませんでした。別の組織に数年間出向することが前々から決まっていたため、私と入れ替わりで遠くに行ってしまっており、引き継ぎすらありませんでした。あるのはA4の引継書1枚(もちろん片面)だけ。
「とんでもない役所に入ってしまった」
入職1ヶ月も経たないうちに、私の頭の中には「退職」の二文字がよぎっていました。


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