地方公務員に向いている人、向いていない人

仕事

私は、ビルメン(設備管理)の会社に就職するまでは、公務員として勤務していました。
一口に公務員と言っても色々な職種がありますが、私は基礎自治体(市町村)で一般的に「お役所仕事」と呼ばれるような仕事をしている地方公務員でした。正職の事務職員であり、公務員志望の多くの方が目指す典型的なパターンかと思います。

退職したきっかけは色々ありますが、衝動的に辞めたとかメンタルを病んで辞めたとかいうわけではなく、3つの部署を経験した上で、熟考の末に退職しました。

地方公務員は、昔ほどの人気はないかもしれませんが、今でも学生が選ぶ人気の職業として挙げられているようです。

私は、地方自治体の公務員になること否定するつもりはありません。
住民の生活を支える重要な仕事であり、誰かがやらなければならない大切な仕事です。また、倒産の心配もなく福利厚生も手厚く、昇給も退職金もしっかり保証されています。
ただ、これは公務員に限ったことではなくどんな職業にも言えることですが、「向き不向き」、いわゆる「適性」はあると思っています。決して「誰でも出来る難易度の低い職業」ではないと思います。

この記事では、基礎自治体の公務員になることに興味がある方向けに、さまざまなポイントを列挙し、個人的に「こんな人は向いている」「こんな人は向いていない」という意見を書いていこうと思います。

ポイント① その「組織」で定年まで勤める覚悟があるか

公務員には色々な職種がありますが、基礎自治体の事務職員というのは、基本的に転職市場で評価されるスキルは身に付きにくいです。転職が出来ないというわけではありませんが、「経歴を活かしてスキルアップ」というのは難しいと思います。

こう言うと、「他の基礎自治体で経験を活かせるじゃないか」と思われるかもしれませんが、なかなかそうもいかないのが現実です。

公務員は、個人差はありますが、概ね2〜4年ごとに人事異動で他部署に移ります。
そして、基礎自治体は業務の範囲が幅広いため、大抵の場合は畑違いの部署に異動して全然違う仕事をゼロから覚えることになります。
はっきり言って、前の部署での経験は大して活かせません。私は3部署を経験しましたが、前の部署での経験を活かせたことはほとんどありませんでした。

同じ役所内でも前の部署の経験を活かせないのに、他の組織で経験を活かすなど、土台無理な話というわけです。

公務員になるということは、「地方自治体の事務職員を職業とする」と言うよりは、「〇〇市役所に骨を埋める」「△△町役場というムラ社会の一員となる」ぐらいの認識でいたほうがいいです。
「嫌なことや不満があったら退職してもっと待遇がいいところに移ろう」と考えているような人は、明確に公務員は向いていないでしょう。

ポイント② ライフプランに結婚・子ども・マイホームが含まれているか

「結婚している、又はいずれ結婚したいと思っている」「小さな子どもがいる、又はいずれ子どもが欲しい」「ローンを組んでマイホームを持ちたい」と思っている人にとっては、公務員は素晴らしい職業です。

「役所の正職員」というだけで、配偶者としての需要は一定あるでしょうし、銀行は確実にマイホームの資金を融資してくれます。社会的な信用は大企業の正社員以上でしょう。

どれだけ仕事が苦しくても理不尽な目にあっても、配偶者や子ども、家のローンのために定年まで退職せずにしがみつく気概がある方にとって、公務員は間違いなく最強の職業です。
もし私が既婚者だったら、あるいは結婚の予定があったら、絶対に公務員は辞めなかったでしょう。

言い換えれば、私のような「結婚も子どももマイホームも、中学生ぐらいの時にはとっくに諦めてました」みたいな人間にとっては、そこまで魅力的な職場ではないということです。

ポイント③ 「年功序列」に抵抗がないこと

公務員は、基本的に年功序列です。どれだけ優秀でやる気があっても、若いうちは大して稼げませんし、逆に長期間在職しさえすれば、どれほど問題がある職員でもそれなりの給料をもらっています。

※ここからは、私がいた役所の話であり、おそらく全ての職場がそうというわけではないと申し添えておきます。

基本的に、業務量は給料や年齢と比例しません。私がいた職場では、むしろ逆のケースがほとんどでした。
年齢が高い職員は、雑用や電話番はもちろん、本来自分でやるべき業務を平気で若手に押し付けます。
大体彼らの言い分は、「経験を積むため」だの「若いうちの努力は買ってでもしろ」だの「鍛えてやってる」です。
そして、そういった職員は業務時間中に平気でスマホをいじって雑談しているわけです。当然給料はこき使われている若手よりも圧倒的に高いです。

改めて言いますが、公務員の「経験」や「スキル」は、数年後に異動した瞬間に使えなくなります。仮に数十年後に同じ部署に戻っても、当時やっていた仕事など忘れていますし、覚えていたとしても陳腐化しているのが関の山でしょう。

であれば、年齢の長幼にかかわらず皆で協力し合うのが理想ですが、まずそんなことにはなりません。
仕事の押し付け合いに敗れた人間が泣くだけです。

もちろん、家族がいてマイホームのローンがある人にとっては、年功序列は素晴らしい制度です。
なぜなら、長期的な人生設計がしやすいからです。
民間企業では確実にクビになるレベルで能力が低い人や、やる気がない人にとっては、神のようなシステムでしょう。自分より有能でやる気がある同僚と同じ待遇で働けるからです。

私は、まだ若手といわれる時期に退職しました。年功序列というシステムが自分には合っていないと感じたからです。年功序列というシステムに疑問を持っている人は、公務員には向いていないでしょう。

まとめ

ここまで色々と役所のシステムの批判をしましたが、あくまで私がいた役所ではそうだったというだけで、必ずしも全ての役所が同じだとは思っていません。
重ねて申し上げますが、ライフプランに結婚・子ども・マイホームがある人にとっては最強の職業です。

ただ、公務員を目指すのであれば、メリットとデメリット、自分の人生設計を見つめた上で、その組織に骨を埋めるぐらいの覚悟を決めて入庁した方がいいと思います。

今回の記事はこれで終了とします。ありがとうございました。

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